四国の多様な働き方と採用について

高知家の「事業承継・人材確保センター」

昨年5月、株式会社帝国データバンク高知支店から、高知県民にとってはとても心配な調査結果が発表されました。

その概要は、2013年度の高知県企業倒産数が、(2007年以降)2009年度のピークから半減した一方、休廃業・解散件数は215社と倒産数の約6倍で、2008年度以降の最多となったということ。

前年度と比較した増加率は24.3%と全国ワースト3位です。

 

 

高齢化や後継者難。世代交代に行き詰まり。

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休廃業・解散をした企業の代表者は「60歳以上」が79.7%と、高齢化や後継者難がその背景にあると見られています。

確かに、ここ数年、私たち県民にとって「え?あの企業が?」と思うような廃業ニュースが多いと感じていました。

 

2013年5月には、名前のユニークさから県内での人気が非常に高く、全国ネットのテレビ番組でも取り上げられた、香南市の名物菓子「エチオピア饅頭」の近森大正堂が店を閉めました。

3代目店主が亡くなり「将来にわたって味を守り続けることが難しい」という理由でした。

 

また、2014年11月末には、高知県を代表する老舗かまぼこ店「永野蒲鉾店が、「今後の経営を考える過程で事業を任せられる人材を探したが、後継者に恵まれなかった」という理由で、136年の歴史を閉じました。

自主廃業を決意した同社の社長は、事業譲渡の打診も受けたが、「同じ味を維持していくことは難しい。『永野』の名前で味が変わり、お客さんの信用をなくすようなことは耐えられない」と売却を断り、悩んだ末に『どこにも迷惑をかけず、きれいな形で閉める』ことを選んだというお話をされたそうです。

 

 

倒産にしろ、廃業にしろ、企業がその活動を停めるということは、そこに雇用されていた従業員が職を失うということです。

実際、永野蒲鉾店には、パート社員を含む80人の従業員が働いていました。

世代交代に行き詰まり存続できない企業が増えれば、県内の雇用は確保できず、県経済の地盤沈下は加速するばかりです。

 

 

2015年4月「事業継承・人事確保センター」設立

そんな中、高知県の尾崎知事は、県内中小企業の事業承継とUターン・Iターン者などの人材確保や事業拡大を併せて支援していくことを目的に、「事業継承・人事確保センター」を、この4月に設立すると発表しました。

 

高知商工会議所に委託され、金融機関やM&A会社、人材ビジネス会社などから派遣された専門家らがその事業を担います。

この体制は、この事業で先行する県外の組織より手厚い体制だそうです。

 

一般的に中小企業の世代交代がうまく進まない背景には、企業と経営者が一体化しており、その相続問題が直接、経営に絡んでしまうことがあると聞きます。

また、地域の消費がしぼみ続ける中で事業承継したとして、その事業性をどう維持していくのかという課題もあります。

そして少子高齢化に伴う人口減少が顕著な高知県においては、人材確保のための対策も必要です。

そういった課題のひとつ一つに、専門会社のノウハウが統合されて活かされていくことを期待しています。

 

また、この事業によって、高知県にUターン・Iターンをして高知県で暮らしていくことを希望している方が、新たな視点から将来を考えられる可能性も出てくるのではないかという期待も持っています。